スラムダンク奨学金は、『SLAM DUNK』の作者である井上雄彦の「この作品をここまで愛してくれた読者とバスケットボールというスポーツに、何かの形で恩返しがしたい」という志から始まりました。
高校を卒業後、大学あるいはプロとして競技を続ける意志と能力を持ちながら、その夢を果たせない状況にある若い選手を支援することでその目的を果たそうと2006年に設立されました。
奨学金の原資は、『SLAM DUNK』の印税の一部と、アイティープランニング有限会社、株式会社 集英社の拠出金で成り立っています。

スラムダンク奨学金では、奨学生をプレップスクールに派遣します。
プレップスクールとは、大学準備や、より高度な教育のための私立の学校のこと。
全寮制の学校も多く、大学準備のための学校である日本の予備校や塾とは概念、雰囲気などが異なります。
NCAAあるいはその上のプロとしてのプレーを目指す外国からの留学生も多く在籍しています。
選手は大学コーチなどがスカウティングに足を運ぶことの多いプレップスクールで活躍することによって、米大学からの運動部奨学金のオファーを受けるチャンスを与えられることになります。
NCAAでは、規則として最低限の学業成績をおさめていないと公式戦でプレーすることができません。
スラムダンク奨学金が奨学生を大学ではなくプレップスクールに派遣するのは、英語を母国語としない日本の選手が、大学あるいはプロを目指すためにはまずプレップスクールが現実的であり、もっとも適した留学先であると考えるためです。

言語や生活習慣の違いを克服しながらアメリカで競技を続けていくことはやさしいことではありません。
しかし、その経験は奨学生を選手としてだけでなく、一人の人間として大きく成長させるものです。
まさに、生涯にわたる財産となるでしょう。
予想されるさまざまな障害も乗り越えて、より高いレベルでの競技者として成長しうる強い意志と、将来にわたって日本のバスケットボールの礎となるべく理想を持った若い選手の応募を期待します。

井上雄彦